しにあ・てく・てく » コラム » てく・てく山散歩#1 果無山脈縦走(準備編)

アクセスの悪さと、低山であるがゆえに、なかなか行けない未踏の果無山脈。
その縦走プランが現実のものとなる。山行準備。山歩きはそこからはじまる。
一番大切でかつ、またこのうえなく楽しい山行準備編です。

山行準備は楽しみの宝庫

大切な登山準備
登山はその準備からはじまっている

山に行く準備。実は、これほど楽しいことはない。
山歩きをはじめた人ほど、その楽しさは大きいはずだ。何せ、行ったことのない山ばかりなのだから、楽しみの宝庫だ。
昔は、登山のガイド本を読み込んだり、昭文社の登山地図を手に入れ、手書きで計画を立てたものだが、いまではヤマレコやYAMAPといった便利なサイト・アプリがあるので、ちょんちょんとマウスをクリックするだけで登山計画ができてしまう。加えて、多くの方の登山レポートを見ることもできる。
実際に予定がなくても、いつかは行ってみたい山、その計画を立てるだけで、妄想登山を楽しむことができる。
けれども、実際に山に行く際、登山準備としては何からはじめればいいのか? 登山をはじめたばかりの方ならそう思うかもしれない。

未踏の果無山脈へ

山では「自分のことは自分で」が基本
山では「自分のことは自分で」が基本

アクセスの悪さからこれまで足を踏み入れたことのなかった果無山脈の縦走。生きているうちに行く機会はないかも知れないと思っていたのだが、いつも山行を伴にするHさんから連絡が入った。
「次回の山行、たとえば果無山脈縦走でどうでしょう。●日朝8時ごろ、西大寺あたりで落ち合う。11時台、十津川温泉着。タクシーでヤマセミ温泉へ。で、果無山脈に入り、テキトーにテント(たぶん、安堵山あたり)泊。16日果無山脈を縦走して、15時くらいには十津川温泉へ。風呂に入って大阪に戻る」。

この段階で、Hさんの頭のなかには、山行計画がかなりしっかりと描かれていたようだ。いつものことで、随分と安心して登山を楽しめている。登山において、「誰と行くか」というのも非常に大切な要素だ。知識、体力、経験。自分に足りない部分を補ってくれる人と一緒に行くことで、山における危険をかなりの部分、回避することもできるし、経験を積むこともできる。といって、任せっぱなしにしていいわけではない。「自分のことは自分で」が基本だ。しっかり自分の準備をしてゆく。

基本の準備

まずは山行計画。わたしの場合、ヤマレコをサービスリリース時から使っているので、いつもヤマレコを利用している。その計画のなかで、時分単位でアクセス経路、食事・行動食の準備予定、装備、必要経費などを具体化してゆく。
以下のような段取りが、いつもの私の準備の基本である。

ヤマレコでの登山計画

ヤマレコサイトはこちらだ。登山計画の立て方は、サイトの説明を見てもらいたい。Youtubeのヤマレコ社長の絶対遭難させないチャンネルを探せば、とてもわかり易い解説を見つけられるだろう。同様のサービスで、YAMAPを利用してもよいだろう。
計画を立てれば、総距離や歩行時間などが自動的に計算されて表示される。わたしの場合、だいたい標準的な歩行ペースなので、それを基本に考えておけばよい。歩行距離は初日が約6km、2日目が約18km。初日に距離を稼げればよいが、ほぼ登りっぱなしで800m稼がなければならないし、キャンプ地を見つけなければならない。できれば少しでも前に行っておきたい程度に考えておく。

アクセス経路

山行計画を立てる際にアクセス経路を記す欄があるので、同時に調べて記載しておく。
行きは自宅から車で近鉄大和西大寺駅に行き、Hさんをピックアップして十津川温泉昴の郷へ向かう。Googleマップでその経路を調べてURLを保存しておく。そうしておけば、スマホでワンタップでナビを起動させることができるので便利だ。帰りも同様にしておく。
総走行距離をメモして、必要なガソリン量を計算しておく。当日朝に補給してから出かけるのだ。

地図

国土地理院の2万5千分の1の地図に登山経路を引いたものを、ヤマレコサイトで印刷することができる。見やすい大きさで数分割して、ジップロックに入れてウェストポーチにいつも突っ込んでいる。事前に迷いやすい地点や危険地点等の要確認地点があれば、書き込んでおく。

紙の地図ももっていこう
必ず紙の地図ももっていこう

いまはヤマレコアプリを使いながら歩いているので、計画自体が間違っていなければ、ルートを外れると警告してくれる。便利になったものだ。道間違いをすることはあるが、復帰も容易だし、間違いを事前に正してもくれる。とても便利だ。
以前は道迷いをした際は、GPSで現在地を確認し、印刷持参した地図で現在地を確認あるいは想定して、コンパスを使いながら復帰を試みたものだ。それもまたスリルある体験だったが、ヤマレコアプリを使いだして道迷いをすることはまずなくなった。

食料

必要な食料を検討し、行動食とともに当日までに準備しておく。今回は2日の山行で、山中では初日の夜、二日目の朝・昼の3食。他はアクセス途上の車であるとかどこかに立ち寄って食べればよい。

装備

冬季なので、当日の天気予報を調べたうえで準備しておく。今回、ワカンがあればよいだろうと思ったが、嵩張るので軽アイゼンにした。衣類はなるべく軽量で嵩張らないものを重ね着することにしたが、場合によってはマイナス10度くらいになるかも知れない。おすすめできることではないが、厚めで重いレインウェアをザックに突っ込んで、夜は寒い場合、それを着て寝袋に入ることにした。

調理器具や、テント、水分などもろもろの装備を入れても総重量は15kgには満たない。私の場合、15kgまでなら1日中歩いても大丈夫なので、装備の準備はそれでOKだ。
自分がどれくらいの荷重を背負ってどの程度の距離なら歩けるかを知っておくことは大切なことだ。もし分かっていないなら、それが分かるまで、安全サイドの荷重や距離で少しずつ歩行距離を伸ばしてゆくようにしたほうがよい。
今回、2日目の歩行距離が18kmあるので、2日連続で10時間程度は歩ける自信がなければ、計画を見直したほうがよいだろう。
モバイルバッテリーや、ヘッドライト等の充電も忘れてはならない。

必要経費

ガソリン代、食費、その他もろもろ必要な経費を算出しておく。余裕があるにこしたことはないが、そこは貧乏人。いつもギリギリに毛の生えた程度の予算を確保するので精一杯だ。

登山当日

忘れもの、落とし物に注意

よくあるのが忘れ物だ。それだけはしたくないので、何度もチェックしたい。
私の場合は、ザック、下山後の着替えを詰め込んだサブザック、ウエストポーチの3つが定例の荷物だ。バッテリーを満タンにしておきたくて、出発直前に荷物に詰め込む場合は要チェックだ。
そして車の場合、現地に到着して、車に荷物を置き忘れるのもあるあるだ。ナビに使ったスマートフォン、喉を潤すためにフォルダーに刺した水筒など。登山開始前にも、厳重にチェックしたい。

そして一度やってしまって大慌てしたのが、車の鍵の紛失。登山時には、荷物の出し入れを決してしないウエストポーチのポケットに突っ込んでおく車の鍵であるのだが、登山前にトイレに行ったり施設見学をしている間ズボンのポケットに入れておいたところ、他のものを出し入れする際に落としてしまった。
結局戻ってきたのだが、山中での貴重品の落とし物対策もしっかりしておくに越したことはない。

さあ、最高の楽しみのはじまりです

今日は夜、焚き火をする予定だ。山を歩くことに加えて、夜、一杯やることが私の最高の幸せだ。

山を楽しむためにも、準備は万全に
山を楽しむために、登山準備は万全に

存分に膨らませてきた山行への期待を十分満喫するためにも、登山準備は十二分に行ってから山に入るようにしましょう。それは、装備や計画だけでなく、体調面も含めて、自分を取り囲むすべてのことについてといってもよいでしょう。
登山届は便利なことに、何度も紹介してきたヤマレコアプリで提出することができます。

えっちら、おっちら、ゆっくり、てく・てく登りましょう!

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